能と線

 過日、雨の日に「雨に混じって放射能が降って来る」とか言われたので、敢えて「ねェよ」とツッコんだ。「なんで!?」というので説明したらキレられた。
「そんな大雑把な説明聞いた事ありませんよ!」

・放射能
 放射性物質が持つ、放射線を出す能力。

・放射線
 放射能がある物質が放つ不思議ビーム。(←超適当)

 ものすげェ大雑把に例えるなら、放射性物質は煙草。煙を出す能力が放射能。生じる煙が放射線。


 って感じに物凄く分かりやすく説明したのに。何がいけなかったというのか。
「そもそもそんなのゴミの分別並に興味ありませんよ!」
 いやそれには興味持っとけ。まァ分別する意味って、実はあんまりないらしいけど。
 とまれなんで今更こんな事を書いたかと言うと、今日「放射能と放射線ってどう違うんでしたっけ」とまた訊かれたからである。
 同じ説明を繰り返したら、「やっぱり大雑把過ぎる! そんなだから私が覚えられないんですよ!」とまたキレられた。最近の若者は難しい。
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ひきわりの謎

 あちこちで納豆が品切れている。しかしそんな昨今にありながら、何故か欠品せずに毎日配送されてくるひきわり納豆細巻き5本セット。
 どっから調達してきてンだとスタッフ一同首を傾げていた。そして今日、そこにひとつの報告が。
「昨日スシローに行って来たんですけど、スシローでも回ってたんですよ、納豆巻き」
 節電節電言われてる中スシローが営業してた事に驚いた。
「それで気づいたんですけど、スシローの納豆巻きもひきわり納豆だったんですよ」
 なんでひきわりだと普通に流通するのか。納豆の配送事情なんてコアなシロモノにはまるで詳しくない我々にとっちゃアものっすごい謎である。
 ひきわりだとチューブ保存できるとか、フリーズドライになってるとか、何かそんな感じの呪術的秘密があるのかしらん。超気になるぜ。

確かな善意

 震災義捐金は、各店舗ごとにまとめてから本部に送付。その後本部から一括してまた送られる手筈になっている。うちは日本赤十字を通すのだったか。
 そんなわけで今日は小銭を巻いて巻いて巻きまくってた。知ってるか。コインカウンターで50枚カウントして、紙で手巻きしなきゃならねェんだぞアレ。
 で、そうやって募金を整理していると気づく。
 平素からちょくちょくやってる盲導犬とかそういうのの募金に比べて、明らかに額面が多い。500円硬貨ばかりでなく、紙幣までちらほらと入っている。
 まだ二週間も展開していないのに、1店舗ごとに1万~2万くらいの募金額がある。
 未曾有の災害に対して「少し何かしたい」という気持ちが強くあるのだろうう。こういう無言の善意を見ると、やっぱ世の中って捨てたもんじゃないよなと思う。
 俺も帰り際、店の募金箱にちょっくらねじ込んできた。いくらとは訊くな。訊くなったら訊くな。

3月下旬、雪

 帰りしな、雨に混じって降る雪を見た。
「あれ、春分も過ぎたばかりですよね? わりと世界的に春の訪れの後ですよね?」などと思ったが降ってるものは仕方ない。
 夏は異常な酷暑で先にこの地震、さらにオマケでこの冷え込み。一昔前なら妖怪が出てもおかしくないような世情の暗雲っぷり。
 なんだか暗い方面に気が行きがちでやんなるねェと思いつつ帰宅して、ちょいとごろりと転がった。
 ……と思ったらこんな時間だった。
 こっちの方がよほどに異常事態だ。

免疫獲得

 すっげぇ目がしょぼしょぼする。熱ぼったいと言うか、なんと言うか。心情的なものにあらずして涙目になる。
 最初は眼精疲労かと思ったのだが、
「それ花粉症ですよ花粉症」
 今まで一度も発症しなかった俺が、「花粉が多い」とか「今年は今まで症状が出なかったひとも出る」とか言われた年にすら発症しなかった俺が今更か。
 それに鼻水が出るわけでもくしゃみが出るわけでもない。
「今年のは目に来ますからね。めちゃくちゃ目に来ます。インターバルおいて点眼しろって書かれてる目薬をノータイムで差すくらいです」
「あのさ。君さ。自分が花粉症でぼろぼろだからって、他のひとも罹患すればいいんだいやするべきだみたいな事思ってない?」
「ばれましたか」
 ばれいでか。

寝て過ごす

 別に果報を待っていたわけではないけれど、今日は半日以上爆睡していた。
 地震発生から時間問わず断続的に連絡が入る状態で、当然睡眠もブツ切れの細切れで、いけるつもりでも体はぐったり疲弊していた模様。
 そんな具合に寝れた事からも分かるように、落ち着かないなりにひと段落してきた。立ち向かう体制が整った。
 例えば納入。ない商品は相変わらずない。そして品薄。でもそういう商品は出せないと諦めて、工場のラインを絞って、必ず欠品しないものを乗っけてきてくれるようになった。
 そういうふうに、あちこちで皆の努力が結実してる。知らないところで、見えないところで大勢が頑張っているのだと思う。
 その横で「上が腐りきっている」例として図鑑に載せたいような状況も見る。あまりネガティブな事を書きたくはないけれど、どのツラ下げて、と吐き捨てたくなる。
 まァ願わくば。
 俺の明日一日が、どっかの誰かの役に立ちますように。
 ……ちと感傷が過ぎるかね。

陰陰滅滅

 よいニュースが聞こえてこない。
 けれどどうしたって情報に耳を澄まさざるをえないから、じわじわと気が滅入ってくる。
 今すぐ自分が動いて解決できる事ではない、自分ではどうしようもない事態が確かに起こっているというプレッシャーがあるのだと思う。
 有形無形で受け取って、なんとないながらも膨らむ不安感。
 大坂の陣だかなんだかの前にも異常なほどの風流踊りが流行ったというけれど、押しつぶされそうなこういう心根の発露であったのだろうなァなどと思う。
 こういう時こそ羽目を外し過ぎない程度のお祭りが必要なのではないだろうか。お祭りと言っても別に大規模のものじゃない。飲みでもカラオケでもボーリングでも、それこそ気のおけない連中とメシ食って馬鹿話するだけでもいい。その程度の個人的発散だ。
 でもそういう提案も、今の風潮だと通らんのだろうなあ。何でもかんでも自粛自粛。自粛して暗いムードになって追い詰められてもいないのに精神的に追い詰められた気分になって。
 そんなん何一ついい事ない気がするのだけれど。難しいよなァ。

天の川でも見ればいい

 輪番停電に否やはない。こういう局面なんだからあちこち協力体制をとるのは当然だろう。
 ただ「停電に備えて」「停電だから」って思考停止気味のパニックになるのはいただけない。深く考えもせずに「電気が止まる! 大変だ!」って踊りだすのが一番危ないと思うわけだ。
 電気停まるつったって、所詮3時間。この季節で昼なら信号含む交通機関以外にはさしたる問題もないだろうし、夜ならそれこそちょいと早めに寝ればいいだけの話。
 出来ない事を嘆くより、出来る事をしようぜ。
 夏の暑さに文句を言うよりも花火を見に行く方が建設的だ、なんて台詞もある。ライトダウン程度で見えるかはしらんけど、まァ夜の停電地域なら、天の川でも探してみるとかそんな感じでいいんじゃないのかねェ。
 だらりと行こうぜ。不必要に心まで切羽詰らせる事ァねえよ。

すっきり分かりやすく

 が、説明の基本だと思います。枝野さんはいいよね。好感が持てる。知識しっかりある感じだし、具体的でない部分についてはその旨を明確に伝える。できる事ははっきりと述べる。
 ぐだぐだと遺憾の意ばかり小学生の感想文のように連発してるんじゃねェよ、と。誰と誰の事とは言いませんが、会見の順番的にその辺が際立った。
 何はともあれ輪番停電。
 これまたクソのようにグループ分けが分かりにくい。
 いっそ「この県は何時から何時まで停電。ただし県境については若干のブレがある」みたいな形にしてくれた方がよほどに理解しやすかった。まァオフィス街や商業区に対しての配慮の結果なんだろうけどさ。
 しかし東京電力のホームページのPDFも死ぬほど分かりにくいので、各市町村のページを参照すればいいのじゃないかと思う。
 とりあえず横浜市の輪番停電影響区域についてのみ紹介しておこう。何故って俺は横浜市民だからな! 他の市町村とか調べるの面倒だしよく判らんからな!
 こんな場末の日記だけれども、ひょっとしたらなんかの役に立つかもしれないから書くだけ書いておこうと思う。自己満足上等。自分すら満足できない行為に何の意味がある。

・缶詰と飲料水
・懐中電灯とラジオ
・寝袋とカイロ
・輪番停電に及んだ時の為の保冷材
・各種用途に風呂に水だけ張っておく
・寝る前の枕元に携帯、ペットボトル、チョコレート
・災害用伝言板への登録

 杖があっても転ぶ時は転ぶし、転ばなかったのが杖のお陰かどうかは確かめようもない。
 だが今日晴れているからといって、傘を捨ててしまうのは愚かな話ではあるまいか。
 杞憂で済めばそれでよしって話ですよ。

生きてます

 今帰ったぞー!
 各停&低速運転ながら東急が復旧してたんで、思いのほかさっくりと帰って来れました。俺様無事であります。ネット上でしか連絡とれない人々宛に、まずは生存報告であります。
 でもいまだ細かく揺れているし、一ヶ月以内にマグニチュード6以上の余震もありうるとの話もある。
 津波も各地で3mオーバーのが報告されてて半端ねェ。
 初っ端無事だった連中も油断せずに、飲料と携帯を枕元においてから寝ろ。マジでマジで。
 連絡がまだつかない友人知人の無事を祈りつつ、今日は俺ももう寝る。明日、というか今日に備えて、ちょいと体を整えとかねばならなそうだ。

機を見るに鈍

 タイミングが悪い事が続いた。ちょっと凹んだ。
 大目標があって、それに向かって無理をしながら突き進んで、した無理の分最大効率を出そうとして肝心要の大目標を仕損じる。
 そんな事が二度続いた。
 わりとむきになりやすい性質だし、枝葉末節にこだわりるタイプでもあるので、ミクロ視点に囚われすぎねばならないようにせねばと自戒。
 まず合格する事が目的ならば、80点と100点に差はないのだ。美学だのなんだのは、まず成し遂げた後についてこされればいい。成し遂げられぬならば、そもそも口を利く権利すらない。

敗北感

 昼、移動中。おにぎりでも買って昼食を賄うべとコンビニへ。
 適当に見繕って会計済まして出ようとしたところで、俺の次に並んでた小学生ぐらいの少年が言う声が聞こえた。
「すみません、外のガチャガチャやりたいんでこれ百円玉にしてください」
 ちらりと見ると、目に映ったのはレジカウンターに置かれた千円札二枚。
 うーむ、最近の子供はリッチだなァ。俺の昼飯よりもよほどに豪勢だ。

外聞

「太陽に一番近い惑星は?」
「水金地火木土天海冥だから冥王星だな」
「それ遠い方だから。あと多分逆を言ってボケたつもりなんだろうけど、冥王星もう惑星じゃねェから」
「一回のボケに二度もツッコむなよ」
「一回のボケで二度もツッコませるなよ」
 なんて会話を交わしていたら、見知らぬおばちゃんのウケをとっていた。俺と目が合ったおばちゃんはちょっと気まずそうだった。俺も何か気まずかった。

唇寒し

 またぞろ冷え込んでおります。
「寒の戻りってレベルじゃねェぞ!」とブチ切れそうになるくらい。
 深夜に帰ってくるとマジ寒いんですよ。一人暮らしの部屋の中は、空気冷え切ってて洒落にならんのですよ。
 夏暑かった年は冬寒いと言うけれど、この分だと花冷えの頃も寒くなるんかねェ。まあ俺、実は寒いのってそんなに嫌いじゃないからいいんだけど。
 だらだらと布団に包まりつつ、15分足らずの道程の間に冷めかけた缶コーヒーを啜る夜であります。

深夜テンション

 電話で駄弁っていた。何が発端かは忘れたが、可愛いものの話になった。
「和風総本家って知ってる?」
「ああ、知ってる知ってる」
「豆助可愛いよな」
「可愛いよね! 豆助、可愛いよね!!」
 いきなりなんだこのテンション。なんなんだこのハイテンション。
「ちょっと落ち着け。意味判らないくらい声高くなってるから」
「でも今の子六代目なんだよ!」
 知らねェよ。というかその接続詞の意味が判んねェよ。
 しばらくそんなテンションで豆助への愛を語られた。最終的には高い声のままミッキーの物まねで幕を閉じた。
「ほっほー、僕、ミッキー!」
 やかましい。
 これで酒が入ってないってんだからびっくりである。

納豆狂い

 まったく何の理由もなく唐突に。
 少しの必然性もなくいきなりに。
 猛烈に納豆が食べたくなる事ってないかしらん。
 半年に一辺くらい、「ひきわり最強じゃあああああああ!」と叫びつつスーパーへダッシュする日が誰にだってあるんじゃないだろうか。
 俺だけかしらん。
 俺だけなのかしらん。
 そんな次第で昨日から三食納豆でした。ひきわりうめェ。

氷粒

 日曜まで暖かかったのに、いきなり寒い。
「布団から抜け出たくねぇぇぇぇぇぇ!」と殻を奪い取られるカタツムリの気分を味わいつつ、仕方がないので起き出して仕事へ。
 家を出てしばし、ふと気づく。
 なんか傘に当たる雨音がおかしい。
 地面を見る。落ちてきてるのは雨粒じゃない。アスファルトに当たって小さく跳ねるそれは、それらは、もう立派な氷の粒だ。
 南の島の大王を見習って、ここは回れ右して帰るべき。わりと本気でそう思った。
プロフィール

鵜狩

Author:鵜狩
鳴かぬなら 鳴くのにしよう 不如帰

 小説家になろうにて物語を書き撲っております。

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