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諸事百家/没シーン垂れ流し

 休日につき、世間の連休中に溜まり溜まったあれこれを処理。それだけでもうぐったり。録画したブレイブストーリーもまだ見てないような有様さ。
 書き物。またぞろ膨らんできやがったので、17シーンあったのを10シーンにまで剪定。現在32kb。
 なかなか捗らない→あれこれと逃避→更に捗らない→輪をかけて逃避の悪循環。この日記すら逃避の一部さふはははは。
 テンション上がって、えいやってな気分になれば、多分あと5時間くらいで仕上がるような文量なのだ。
 だがしかし、この俺の体を蝕む脱力感は何事か。QPコーワゴールドアルファとかに手を出してみちゃおうかしらん。利いた気になればラッキーだしな。

 以下、垂れ流しとか。あとで再利用するかもしれない。


「最強とか言われて悔しくないのかよ?」
「どうして?」
「どうしてって……」
 ああ、イレンドの言った事は多分本当だ。競争意識や闘争本能といったものが欠如している。力の強大さは問わず、その意味において、彼女は全く戦士に向かない。この分では。

 ――きっと気付かねぇんだろうな。

 オレがねーちゃんに、対抗意識燃やしてる、とかさ。
 無造作に高い割りに、なんとも越え甲斐のない壁だった。


「やいこら女史」
 既にほろ酔いめいたハワードが、カトリーヌを呼び止めた。
「……?」
 振り向いたその手には、様々な料理が取り載せられた皿がある。そう経たずに空になるだろう。きょとんとしながら猛烈な速度で料理を片付けるという離れ業を披露している。
「今日の裁定、随分セイレンの奴に甘かったんじゃねェか?」
 からかいを含んだ言に、ふるふると魔女は首を振った。
「そんな事しても、セイレン、喜ばないから」
 応えるとハワードは、大分つまらなそうな顔をした。
「なんつーかよ。いじり甲斐がねェからちっとは隠せ」


「しっかし、なんでまたアイツに仕切りを任せたんすか?」
「だって、とてもいい声をしているじゃありませんか」
唐突な質問だったが、彼女はきちんと意図を把握して返す。
「まあ……確かに」
 確かにその通り。声質は澄んで張りがあって大きく、発音は明瞭で聞き取りやすい。惜しむらくは発言の内容が全てを台無しにしている件。だが大声での馬鹿発言で、それでもヤツの喉が嗄れた記憶はない。
「でしょう?」
 ラウレルの肯定に聖職者は満足げに頷き、
「じっくり聴いてみたくなりますわよね。例えば、ベッドの上で」
 思わず咳き込むラウレル。そうだ。忘れていたがこのひと、割合こうだった。ある意味カヴァクの同類だ。
「アンタ本当に聖職者ですか」
「うふふふ」
 ただヤツとの違いは、迂闊にツッコめないという一点に尽きる。エレメスならぬこの身、ラウレル=ヴィンダーはまだ命が惜しいのだ。
「それで、どうですの?」
「は?」
「だから、あの子のあの時の声の話ですわ」
「一体オレたちをどんな仲だと思ってるんすか」
「あらあら。一から十まで事細かかつ赤裸々に説明した方がよろしいかしら」
「……よろしくねぇっす」


「ほれ薬でも、作ってあげよか?」
「アルマイアっ!」
「冗談や。そんなひとの心を冒涜するようなもの、うちが作るわけないやろ?」
「――そうだね。ごめん」
「気にしてへんからええよ。それよりま、元気出し?」
 ほら、と差し出されたのは、手製と思しきポーション瓶。
「アルマイア。これ、平気?」
「どういう意味や」
「安全か、って事」
「……友情ゆうんは、信じるところから始まるんやと思うで?」


「そもそも、最強だのなんだの言うんなら、あにさん以外は素手で戦うべきや。自分で武器作れるのはあにさんだけなんやから、それが当然ってもんやろ」
「ほまえ、ほうはふうがよ」
「呑んでから喋り。あと、ちっと加減して食べるんよ?」
「ん? なんでだよ?」
「なんでって、残念会の準備だけしてあるからに決まっとるやん」
「手回しがいいな。というか、最初から残念会の支度してたのか」
「阿呆言いな。勝っとったら、祝賀会言うてた」
 彼女の部屋の簡易調理台では、きっと大き目の寸胴鍋がいい香りの湯気を立てて、ことことと歌っている。


「ござる? なにそれ。ねぇなにそれ。ダサくない? ダサいよね? ひょっとしてスイッチなわけ? そうやって演技しないと溢れちゃいそうなんだ? 隠しときたいものが?」
 軽侮し切った、けたたましい笑いが石壁を叩いた。
「馬っ鹿みたい。てか馬鹿じゃん」
 するすると蛇のように短剣を指に躍らせ、追跡者は歌う。
「正直になろうよ。正直に言おうよ、エレメス=ガイル。ぶっ殺す方が、ヤってるよりもよっぽどキます、ってさ」


 剣威が弱い。そして悟った。盾の魔符だ。対峙する人間の力が弱める働きがある。
 だが見抜いたところでどうしようもない。特定の種族の力を削ぐその魔力に対抗するには、ハワード並の強力を以て盾そのものを粉砕するより他にない。剣では到底叶う技ではなかった。その前に刃が潰れ、使い物にならなくなる。
「そうだ。お前の力は十全ではない。そして私は十全だ。この意味は理解できるな?」
 難攻不落。ただ一騎なる城は告げる。
「セイレン=ウィンザー。私はお前を打ち倒し、この胸に誇りを取り戻す」



 斬撃が鋭さを増す。否。魔符の効力が失せているのだ。だが、馬鹿な。盾に打ち込んだ魔符は半永久的な効能を備える。
その力を封じるには盾そのものを打ち砕く他にない。
 そこで、思い至った。
 いや、もうひとつある。
「お前、もしや――」
 影が笑った。
「然り。然りだ」
 剣を手にした日より、この身は既に一個の修羅だ。今更何を躊躇おうか。
「我が後背を守る為ならば。このセイレン、外道畜生にも身を堕とそう」
 そこにいるのは、最早ひとではなかった。それは、騎士の形をした一匹の悪魔だった。


「話にならねぇよ、ハワード=アルトアイゼン」
 トラップで抑え、狙撃手は弓を引く。
「この距離じゃ手が出ねぇか? お粗末な射程だな。いい狩りの獲物だよ!」
 リリースしようとした、その瞬間。びぃんと震えを残して、弓の弦は切れ飛んだ。
 偶然ではない。刹那に飛来した矢が射抜いていったのだ。だが。
「ど、どこから!?」
 スナイパーである彼の視力を以てしても、どこにも敵影など――いや、あった。
 大広間を挟んで向こう、同じ高さのその位置に。彼の目をしても辛うじて影としか認識できぬその距離に。
 捉えた時にはもう遅かった。なんの躊躇もない一矢が、これ以上ないほど正確に、彼の額を射抜いていた。
「ホント、お粗末な射程」
 呟いて、セシルは髪を払う。
「後は任せたわよ、猪突バカ」


「……貴方は、エレメスですわね?」
「左様。他の何者にもござらぬよ」
「結構ですわ」
 マーガレッタは、安堵を微笑のベールで覆い隠した。
「その言葉を、貴方を信じます」
 まるで彼が何か違うものになってしまったような。そんな気がしていた。杞憂だと、そう思いたかった。


「思えば――」
 互いに互いの背を預け、そして暗殺者は呟く。
「肩を並べるのは、これが初めてだな」
「ああ、そうだな」
 そして、血飛沫が舞う。
 見ようによっては、ふたりはどちらも隙だらけだった。だがその隙は、必ずもう一方によって保護されていた。パートナーを信頼しきるが故に見せられる隙だった。
 それは十年来の戦友のように、呼吸を知り尽くした戦いだった。ただの一度も目線すら交わさず、互いの相手をスイッチし、打ち倒し打ち殺す。
 死の旋風めいたふたりの修羅の行く手を阻める者などいはしなかった。
 だがこいつらは言っていなかったか。肩を並べるのは初めてだと。それなのに一体どうして、こんな真似ができるのか。
「強い。強すぎる」
「なんだあいつらは。なんなんだあいつらは!」


 なんか違うのも混ざったが、多分書かないヤツなので気にしない。余裕。
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鵜狩三善

Author:鵜狩三善
鳴かぬなら 鳴くのにしよう 不如帰

 小説家になろうにて物語を書き撲っております。

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